介護保険の更新は何をする?期限前に家族が確認したいこと

親の介護保険証や認定結果の書類を見たときに、「有効期間」「更新申請」「期限」という言葉が目に入ると、少し胸がざわつくことがあります。

「介護保険の更新って、何をするのだろう」

「期限までに間に合わなかったら、サービスは止まってしまうのかな」

「今のままサービスを続けたいけれど、家族は何を準備すればいいのだろう」

そんなふうに不安になるのは、決して珍しいことではありません。

介護保険の更新は、はじめて経験するご家庭にとって、少しわかりにくい手続きです。書類の言葉もかたく、忙しい毎日の中では、封筒を開けるだけで気持ちが重くなる日もあります。

けれど、流れを大きく見れば、やることは特別に複雑なものではありません。

基本は、「期限前に申請する」「認定調査を受ける」「主治医意見書などをもとに判定される」「結果を受け取る」という順番です。

この記事では、介護保険の更新で何をするのか、期限前にどんな準備をしておくと安心かを、夫婦で抱え込みすぎない形で整理していきます。

【この記事でわかること】
・介護保険の更新で行う基本の流れ
・更新通知や有効期間の見方
・期限前に準備しておきたい困りごとメモ
・認定調査や主治医意見書で意識したいこと
・状態が変わったときに区分変更を相談する目安
・夫婦で抱え込まないための共有ポイント

目次

更新は「期限前に申請→認定調査→結果確認」の流れで進みます

介護保険の更新でやることは、基本的には「有効期間が切れる前に更新申請をし、あらためて認定を受けること」です。

要介護認定には有効期間があります。一度認定されたら、その状態がずっと続くものとして扱われるわけではありません。一定期間ごとに、今の心身の状態や介護の必要度を確認します。

そのため、期限が近づいたら更新申請を行い、認定調査や主治医意見書などをもとに、あらためて要介護度が判定されます。

【まず押さえたいこと】
介護保険の更新は、期限前に申請し、認定調査と主治医意見書などをもとに、今の状態をあらためて確認する手続きです。家族がすべてを覚える必要はありません。大切なのは、期限を見落とさず、今の困りごとを伝えられるようにしておくことです。

大まかな流れは、次のように考えるとわかりやすいです。

・市区町村などから更新の案内や通知が届く
・有効期間と申請期限を確認する
・期限前に更新申請をする
・認定調査を受ける
・主治医意見書が作成される
・審査判定が行われる
・新しい認定結果が届く
・必要に応じてケアプランやサービス内容を見直す

更新と聞くと、「難しい手続きを全部自分たちで進めないといけないのかな」と感じるかもしれません。

正直に言えば、介護の書類は、慣れていない人にとっては見ただけで疲れてしまうことがあります。仕事や家の用事を終えたあと、夕方の台所に残る湯気の中で封筒を開けても、内容がすっと頭に入ってこない日もあるでしょう。

すでにケアマネジャーがついている場合は、更新の時期や申請について声をかけてくれることもあります。自治体や事業所によって対応は異なりますが、不安なときは、まずケアマネジャーに「次の更新はいつですか?」と聞いてみるだけでも、かなり見通しが立ちます。

ケアマネジャーがまだいない場合や、要支援の認定を受けている場合は、地域包括支援センターや市区町村の介護保険窓口に相談できます。

介護保険の更新で大切なのは、制度を完璧に覚えることではありません。

期限を見落とさないこと。今の困りごとを伝えられるようにしておくこと。そして、わからないところを相談先につなげること。

この3つを意識できるだけでも、更新手続きは落ち着いて進めやすくなります。

期限を放置すると、あとから不安が大きくなりやすい

更新そのものよりも、期限が近いことに気づかず、後から慌てるほうが不安は大きくなりやすいものです。

介護サービスを利用している場合、認定の有効期間はサービスの継続にも関係します。一般的には、期限前に更新申請をしておくことで、認定結果が出るまでの流れが整いやすくなります。

ただし、細かな取り扱いは自治体や状況によって異なることがあります。心配なときは、早めにケアマネジャーや市区町村の窓口へ確認しておくと安心です。

「まだ先だと思っていた」
「書類が来ていたけれど、よく読んでいなかった」
「親の状態が変わっているのに、どう伝えればいいかわからない」

こうしたことは、どの家庭でも起こりえます。

特に50代〜60代の夫婦世代は、自分たちの仕事や暮らし、親の通院、家事、兄弟姉妹との連絡など、すでにたくさんのことを抱えています。

朝から体が重い日もあります。自分の通院や仕事の予定だけでもいっぱいなのに、そこへ親の介護保険の更新書類が届くと、わかっていても後回しになってしまうことがあります。

それは、怠けているからではありません。毎日の暮らしの中で、気持ちが追いつかない日があるだけです。

だからこそ、更新は一人で背負わず、夫婦で「期限」「申請」「調査日」「相談先」だけでも共有しておくと安心です。

真美

更新って聞くだけで、なんだか難しそうに感じちゃうね

信親

でも、流れは“期限前に申請して、今の状態を見てもらう”って考えると少し見えやすいね

更新のタイミングは「通知」と「有効期間」を見るところから始めます

介護保険の更新は、まず「認定の有効期間」と「更新申請の案内」を確認することから始めると安心です。

要介護認定の結果通知や介護保険被保険者証には、認定の有効期間が記載されています。たとえば「令和○年○月○日まで」という形で書かれていることが多く、その日が現在の認定の期限になります。

更新の案内は、期限が近づくと自治体から届くことが一般的です。ただし、通知の時期や書類の形式は自治体によって違いがあります。

また、本人が書類を受け取っていても、家族が気づかないままになっていることもあります。

親が一人暮らしの場合や、夫婦のどちらかだけが実家に出入りしている場合は、郵便物の確認が遅れやすいものです。

「この前、封筒が来ていたような気がする」

そう思いながら、つい確認を後回しにしてしまうこともあります。親の家のテーブルの上に置かれた書類の束を見て、どれが大事なものなのか、すぐには判断できないこともあるでしょう。

更新時期が近いと感じたら、次のようなものを確認してみましょう。

【まず確認したい書類】
・介護保険被保険者証
・要介護認定の結果通知
・市区町村から届いた封筒
・ケアマネジャーからの連絡メモ
・現在のケアプランやサービス利用票

このとき大切なのは、書類を全部理解しようとしすぎないことです。

まず見るのは、次の3つで十分です。

・有効期間はいつまでか
・更新申請はいつまでに必要か
・わからないときは誰に相談すればよいか

すでにケアマネジャーがいる場合は、書類を手元に置いて「この更新、いつまでに何をすればいいですか?」と聞いてみてください。必要な手順が整理しやすくなります。

通知が届いたら、早めに相談先へ確認しておく

更新申請は、一般的には認定の有効期間が終わる前に行います。

申請できる時期や手続きの進め方は制度上の決まりがありますが、具体的な案内は自治体によって異なることがあります。

そのため、通知が届いたら早めに内容を確認し、ケアマネジャーや市区町村窓口に相談しておくと安心です。

「まだ時間があるから」と後回しにしていると、親の体調不良、通院、家族の予定、認定調査の日程調整などが重なって、思ったより慌ただしくなることがあります。

特に夫婦で介護を支えている場合は、どちらか一人が書類を持ったままにならないようにしたいところです。

たとえば、次のような共有だけでも十分です。

・書類の写真をスマートフォンで撮って夫婦で共有する
・カレンダーに有効期限と申請の目安を入れる
・ケアマネジャーに連絡する人を決める
・調査日が決まったら、夫婦の予定表にも入れる

更新は「期限の日に何かをする」というより、「期限に間に合うように少し前から動く」手続きです。

親の状態が安定しているように見えても、更新の時期には今の生活を振り返るよい機会になります。

歩く、食べる、着替える、トイレに行く、薬を飲む、通院する。そうした日常の中で、家族がどれくらい支えているかを見直しておくと、認定調査のときにも伝えやすくなります。

何気ない日常ほど、あとから思い出そうとしても出てこないものです。朝の薬を飲んだか確認する声かけや、玄関の段差でそっと手を添えることも、毎日続くと「当たり前」になってしまいます。

でも、その当たり前の中に、家族が支えている介護の形があります。

【確認しておきたいこと】
介護保険の更新申請の時期や必要書類、認定結果が出るまでの扱いは、自治体や本人の状況によって異なることがあります。通知が届いたら、ケアマネジャー、地域包括支援センター、市区町村の介護保険窓口に早めに確認しておきましょう。

期限前にやることは「困りごとメモ」を作ることです

介護保険の更新前に家族がやっておきたいことは、「今の困りごとをメモしておくこと」です。

更新申請そのものは、市区町村の窓口、地域包括支援センター、ケアマネジャーなどに相談しながら進められます。細かな提出書類や流れは自治体によって違いがあります。

一方で、家族が準備しておくと役立つのは、本人の状態や日常生活の困りごとを整理しておくことです。

認定調査では、本人がどのくらい介助を必要としているか、日常生活でどんな支えが必要かを確認します。そのとき、普段そばで見ている家族の情報は大切です。

ただ、調査当日になって急に聞かれると、意外と出てこないものです。

「そういえば最近、薬を飲み忘れる」
「夜中にトイレに起きる回数が増えた」
「お風呂を嫌がるようになった」
「歩くのはできるけれど、外出後はかなり疲れる」
「本人は大丈夫と言うけれど、実際は家族が毎回声をかけている」

こうした小さな変化は、毎日の中では当たり前になってしまいがちです。

けれど、介護の必要度を考えるうえでは大事な情報になります。

メモに書くのは「できないこと」だけでなく「支えていること」

困りごとメモには、本人ができなくなったことだけでなく、家族が支えていることも書いておくとよいでしょう。

介護では、本人が「できる」と言っていても、実際には家族が声をかけていたり、準備をしていたり、後片付けをしていたりすることがあります。

たとえば、本人は「自分で薬を飲んでいる」と言うかもしれません。

でも実際には、妻が薬カレンダーにセットし、夫が電話で声をかけ、飲み忘れがないか確認している。こうした場合、本人だけで完全にできているとは言い切れない面があります。

若い頃なら、こうした細かな確認を「たいしたことではない」と思ってしまったかもしれません。けれど、年齢を重ねて自分の体にも波が出てくると、毎日続く小さな世話の重さが少しずつわかってきます。

メモは、次のような項目で分けると整理しやすくなります。

【更新前にメモしたいこと】
・食事:準備、食べる量、むせ込み、見守りの有無
・排泄:トイレの失敗、夜間の回数、介助の有無
・入浴:一人で入れるか、転倒の不安があるか
・移動:室内歩行、外出、階段、転倒歴
・服薬:飲み忘れ、飲み間違い、家族の声かけ
・認知面:同じ話の繰り返し、予定の混乱、火の不始末の不安
・通院:付き添いの必要性、待ち時間の負担、説明理解の不安
・家族の介助:誰が、どのくらい、何を手伝っているか

きれいにまとめる必要はありません。箇条書きで大丈夫です。

夫婦で気づいたことを、それぞれスマートフォンに残しておくだけでも役に立ちます。

夫婦で分担するときは「平等」より「続けられる形」で考える

更新前の準備は、夫婦のどちらか一人に偏りやすいところです。

実親の介護であれば、その子どもにあたる側が「自分がやらなきゃ」と抱えやすくなります。義親の介護では、遠慮や気まずさがあって、相手にどこまで頼んでよいか迷うこともあります。

けれど、更新の準備は、すべてを一人で背負わなくても大丈夫です。

たとえば、こんな分け方でも十分です。

・日常の変化に気づきやすい人が、困りごとをメモする
・連絡が得意な人が、ケアマネジャーに更新時期を確認する
・通院に付き添う人が、主治医に最近の様子を伝える
・書類を受け取った人が、写真を撮って夫婦で共有する

平等に半分ずつ分ける必要はありません。

大切なのは、無理なく続けられる形にすることです。

片方だけが「期限も、書類も、調査も、親への説明も全部自分」となると、見えない疲れがたまりやすくなります。

本当は「少し手伝ってほしい」と思っていても、なぜか言葉にできない日があります。言えばいいだけのことなのに、夕食のあと、使い込んだテーブルの前で黙ってしまうこともあります。

更新の準備をきっかけに、「これは私がやるね」「この連絡だけお願いできる?」と短く言葉にしておくと、すれ違いを少し減らしやすくなります。

真美

困りごとって、いざ聞かれると忘れちゃいそうだね

信親

普段の小さなことほど、メモしておくと助かるね。きれいに書かなくても十分だと思う

認定調査と主治医意見書では「普段の状態」を伝えることが大切です

認定調査や主治医意見書で意識したいのは、「普段の状態をできるだけ正確に伝えること」です。

介護保険の更新では、認定調査員が本人の心身の状態や日常生活の様子を確認します。あわせて、主治医が医学的な視点から意見書を作成します。

これらをもとに、要介護度の判定が行われます。

ここで大切なのは、特別に悪く見せることではありません。反対に、普段より良く見せすぎないことです。

親本人は、調査の場になると少し緊張したり、気を張ったりすることがあります。

普段は立ち上がるのに時間がかかるのに、その日だけ頑張って歩こうとする。家では何度も同じことを聞くのに、調査中はしっかり受け答えをする。

そうしたことは、珍しくありません。

もちろん、本人が頑張る気持ちを否定する必要はありません。

ただ、家族としては「普段はどうか」を補足できるようにしておくことが大切です。

認定調査では、次のような点を意識しておくと伝えやすくなります。

・調査当日だけでなく、普段の様子を伝える
・良い日と悪い日がある場合は、その差も伝える
・家族がどのくらい声かけや見守りをしているか話す
・転倒、失禁、飲み忘れなど、言いにくいことも必要に応じて伝える
・本人の前で話しにくい内容は、事前にケアマネジャーへ相談する

本人のプライドに関わる内容は、家族としても話しにくいものです。特に排泄や認知面の変化は、「本人の前では言いづらい」と感じることがあるでしょう。

その場合は、事前にケアマネジャーへ「調査のとき、本人の前で話しにくいことがあります」と相談しておくと安心です。

どのように伝えるのがよいか、一緒に考えてもらえることがあります。

“良く見せない”より「普段どおりを隠さない」と考える

認定調査では、“良く見せない”というより、「普段どおりを隠さない」と考えると、少し気持ちが楽になります。

親の前で困っていることを話すことに、申し訳なさを感じる方もいるかもしれません。

けれど、介護保険の更新は、本人を責めるための場ではありません。本人に合った支援を考えるために、今の状態を確認する場です。

頭ではわかっていても、心が追いつかないことがあります。「こんなことまで言っていいのだろうか」と迷うこともあるでしょう。

それでも、家での様子を伝えなければ、外からは見えない困りごとがそのままになってしまうことがあります。

たとえば、次のように伝えると、事実として話しやすくなります。

・一人で歩ける日もありますが、最近はふらつきが増えています
・食事はできますが、準備と片付けは家族がしています
・薬は本人が飲んでいると言いますが、飲み忘れがあり家族が確認しています
・調子のよい日は会話できますが、夕方になると混乱することがあります

ポイントは、「できる/できない」だけで分けないことです。

介護の現場では、「できるけれど時間がかかる」「見守りがあればできる」「声かけがあればできる」「日によって違う」という状態がよくあります。

その差を伝えることで、普段の生活に近い形で状況を見てもらいやすくなります。

主治医には生活の変化を短く伝えておく

主治医意見書は、主治医が医学的な視点から作成する書類です。

ただ、主治医が診察室で見ている様子だけでは、家での困りごとや家族の支えが十分に伝わらないこともあります。

診察室では、本人も少し背筋を伸ばします。家では不安そうにしていても、先生の前では「大丈夫です」と言ってしまうことがあります。

その言葉を責める必要はありません。親にも、親なりの見栄や遠慮があります。

だからこそ、家族が生活の変化を短く補うことが大切になります。

通院時に、次のような内容を短く伝えておくとよいでしょう。

・最近転びやすくなった
・薬の飲み忘れが増えた
・夜間のトイレが増えて家族の見守りが必要
・食事量が減ってきた
・物忘れや混乱が目立つようになった
・退院後、介助量が増えた

口で説明するのが難しい場合は、メモにして渡す方法もあります。

ただし、医療的な判断は主治医が行うものです。家族は診断を決めるのではなく、生活の中で見えている変化を伝える役割と考えると、少し気持ちが楽になります。

【本人の前で話しにくいことがあるとき】
排泄、認知面、家族の負担など、本人の前で話しにくい内容がある場合は、事前にケアマネジャーへ相談しておきましょう。伝え方を一緒に考えてもらうことで、本人の気持ちにも配慮しながら、必要な情報を整理しやすくなります。

状態が大きく変わったときは、更新を待たずに区分変更を相談することもあります

親の状態が大きく変わったときは、更新を待たずに「区分変更申請」を考える場合があります。

区分変更申請とは、現在の要介護度と実際の状態が合わなくなってきたと感じるときに、あらためて認定を受けるための申請です。

たとえば、次のような場合に検討されることがあります。

・急に歩けなくなった
・認知症の症状が進んだ
・退院後に介助量が増えた
・今のサービス量では生活が回りにくくなった
・家族の見守りや付き添いが大きく増えた

ただし、「少し大変になったから必ず区分変更」というわけではありません。

状態の変化、サービスの利用状況、家族の負担、今後の見通しなどをあわせて考える必要があります。

迷うときは、まずケアマネジャーに相談するのが現実的です。ケアマネジャーがいない場合や要支援の場合は、地域包括支援センターや市区町村窓口に相談できます。

更新と区分変更の違いを大まかに整理すると、次のようになります。

・更新申請:認定の有効期間が切れる前に、継続して認定を受けるための手続き
・区分変更申請:有効期間の途中でも、状態が変わったときに要介護度の見直しを相談する手続き

つまり、更新は「期限が来るから行うもの」、区分変更は「状態が変わったから見直しを相談するもの」と考えるとわかりやすいです。

判断の目安は「今の認定やサービスで生活が回っているか」

区分変更を考える目安は、「今の認定やサービス内容では、生活を支えるのが難しくなっているかどうか」です。

たとえば、次のような変化がある場合は、相談してみる価値があります。

・転倒が増えた
・一人での入浴や排泄が難しくなった
・認知面の変化で見守りが増えた
・退院後に介助量が大きく増えた
・家族の付き添いや声かけが以前より必要になった
・今のサービス回数では在宅生活が回りにくい
・介護する夫婦の負担が明らかに増えている

ここで忘れたくないのは、「家族の負担」も相談してよいということです。

介護保険の話になると、どうしても本人の状態だけを見がちです。もちろん本人の心身の状態は大切です。

けれど、在宅介護では、家族がどれくらい支えているかも生活の継続に関わります。

夫婦のどちらかが毎晩起きて見守っている。仕事の合間に何度も電話している。通院、買い物、薬の管理、食事の準備を一人で引き受けている。

そうした負担が重なっているなら、それもケアマネジャーに伝えてよいことです。

家族の負担は、外から見えにくいものです。静かな廊下を夜中に歩く足音や、眠れないまま迎える朝の重さは、書類だけでは伝わりません。

だからこそ、言葉にできる範囲で伝えていくことが大切です。

ただし、区分変更を申請した結果、必ず要介護度が上がるとは限りません。判定は調査や主治医意見書などをもとに行われ、結果は状況によって異なります。

場合によっては、現在の要介護度が維持されたり、見直されたりすることもあります。

だからこそ、自己判断で決め込むより、まず相談してみることが大切です。

「更新まで待ってよいのか」
「区分変更を考えたほうがよいのか」
「サービス内容の調整で対応できるのか」

こうしたことは、ケアマネジャーや地域包括支援センターと一緒に考えていくと、家庭だけで抱えずに済みます。

真美

状態が変わったとき、更新まで待つしかないのかなって思ってたよ

信親

途中でも相談できる場合があるんだね。まずケアマネジャーに聞いてみるのがよさそうだ

夫婦で抱え込まないために、更新前は4つだけ共有しておきましょう

介護保険の更新は、手続きそのものだけでなく、夫婦の役割分担にも影響します。

書類を見る人。親に確認する人。ケアマネジャーに連絡する人。調査に立ち会う人。主治医に伝える人。

細かく見ると、意外とやることがあります。

このとき、片方だけがすべてを抱えると、負担が見えにくくなります。

「自分ばかり動いている気がする」
「相手は大変さをわかっていないかも」
「実親のことだから、頼みにくい」
「義親のことだから、どこまで口を出していいかわからない」

そんな小さな引っかかりが出ることもあります。

長く一緒にいても、夫婦で同じように介護を受け止められるとは限りません。会話が少ない日もありますし、言葉にしないまま、どちらかが我慢してしまうこともあります。

だからこそ、更新前は細かい話し合いを完璧にしようとするより、まず次の4つだけ共有しておくと安心です。

【夫婦で共有したい4つ】
・期限:認定の有効期間はいつまでか
・書類:更新通知や介護保険証はどこにあるか
・困りごと:最近の変化や家族の介助は何か
・相談先:ケアマネジャー、地域包括支援センター、市区町村窓口のどこに聞くか

これだけでも、夫婦のどちらか一人が情報を抱え込む状態を減らしやすくなります。

話し合いといっても、長い家族会議でなくて大丈夫です。

夕食後に10分だけ。書類の写真を見ながら。「次の更新、いつだった?」と一言確認するだけ。

そのくらいの小さな共有でも、十分に意味があります。

連絡役と記録役を分けるだけでも楽になる

夫婦で分担するときは、役割を細かく決めすぎなくてもかまいません。

おすすめは、「連絡役」と「記録役」をざっくり分けることです。

・連絡役:ケアマネジャーや窓口に確認する
・記録役:親の困りごとや書類の内容をメモする

もちろん、実際には家庭ごとにやりやすい形で大丈夫です。

大切なのは、「気づいた人が全部やる」状態を少し減らすことです。

更新手続きは、期限があるぶん、気づいた人に負担が集中しやすいものです。だからこそ、先に「この連絡だけお願い」「調査の日だけ予定を空けておいて」と言葉にしておくと、あとで気持ちがこじれにくくなります。

夫婦で同じ温度で介護に向き合えなくても、すぐに責めなくて大丈夫です。

最初は、持っている情報を同じ場所に置くことからで十分です。

昔のように何でも勢いで動けるわけではありません。少し重い腰をかばいながら、できることを一つずつ分けていく。それくらいの進み方でよいのだと思います。

【夫婦で分けておきたいこと】
・ケアマネジャーや窓口に確認する人
・更新通知や介護保険証の場所を確認する人
・困りごとメモを書く人
・認定調査の日程を共有する人
・主治医に生活の変化を伝える人

まとめ:ケアマネジャーに「次の更新はいつですか?」と聞くところからで大丈夫

介護保険の更新は、難しい制度を全部覚えることよりも、「期限前に申請する」「今の状態を伝える」「必要な支援につなげる」という流れを押さえることが大切です。

更新の基本は、期限前に更新申請をし、認定調査を受け、主治医意見書などをもとに結果が出るという流れです。

通知が届いたら、まず有効期間と申請期限を確認しましょう。

期限前に準備しておきたいのは、親の生活の困りごとメモです。

食事、排泄、入浴、移動、服薬、認知面、通院、家族の介助など、普段の様子を箇条書きにしておくと、認定調査のときに伝えやすくなります。

調査では、親を悪く見せる必要はありません。

ただ、普段より良く見せすぎず、「いつもの状態」「家族が支えていること」「日による差」を伝えることが大切です。

また、親の状態が大きく変わったときは、更新を待たずに区分変更申請を相談する場合もあります。判断に迷うときは、ケアマネジャー、地域包括支援センター、市区町村窓口に相談してみてください。

【相談できる先】

・ケアマネジャー
・地域包括支援センター
・市区町村の介護保険窓口
・主治医
・訪問看護師
・居宅介護支援事業所

【今日できる最小の一手】
ケアマネジャーに「次の介護保険の更新はいつですか?」「期限前に、家族は何を準備しておけばいいですか?」と聞いてみましょう。ケアマネジャーがいない場合は、地域包括支援センターや市区町村の介護保険窓口に「更新について確認したいです」と相談するところからで大丈夫です。

この一言だけでも、更新の見通しは立ちやすくなります。

夫婦で全部を抱えなくて大丈夫です。

期限、書類、困りごと、相談先。この4つを少しずつ共有していけば、更新手続きは落ち着いて進めやすくなります。

介護の手続きは、書類の話に見えて、実は暮らしの話でもあります。

誰が動くのか。どこまで家族で支えているのか。どこから外の力を借りるのか。

答えを一度に出そうとしなくても大丈夫です。

まずは、次の更新日を確認すること。そして、親の今の暮らしを少しだけメモしておくこと。

その小さな一歩が、夫婦の中にある見えない負担を、少し軽くしてくれることがあります。

大きく変わったわけではなくても、少しだけ見方が変わることがあります。更新の書類を「面倒な手続き」としてだけ見るのではなく、親の今の暮らしを見直すきっかけとして受け止められたら、それだけでも十分です。

うまくできない日があってもかまいません。

夫婦で黙ってしまう日があっても、すぐに答えが出なくても、まずは一つ確認する。そのくらいの歩幅で、介護保険の更新と向き合っていければよいのだと思います。

真美

まず“次の更新はいつですか?”って聞くだけなら、できそうだね

信親

うん。そこがわかるだけで、次に何をするか見えてくるからね

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