親の介護サービスを使い始めると、毎月の請求額に驚くことがあります。
訪問介護、デイサービス、ショートステイ、福祉用具、通院、薬代、紙おむつ、食費。ひとつひとつは必要な支出でも、月末に合計してみると、思っていた以上の金額になっていることがあります。
「このまま続けられるのかな」
「親のお金だけで足りるのかな」
「子ども夫婦がどこまで負担すればいいんだろう」
そんな不安が出てくる方もいると思います。
特に50代〜60代の夫婦世代は、自分たちの生活費や老後資金、住宅ローン、仕事のことも抱えながら、親の介護費用に向き合う時期です。
お金の話は、親にも、兄弟姉妹にも、夫婦の間でも切り出しにくいものです。食卓で何度か言いかけて、結局そのまま黙ってしまう。請求書を見ながら、使い込んだ椅子に腰かけたまま、ため息だけが出てしまう。そんな日もあるかもしれません。
けれど、介護費用が重くなっているときに、いきなり必要なサービスを減らしてしまうと、本人の安全や家族の負担に影響することがあります。
介護保険の自己負担を減らしたいときは、まず「負担割合」「月ごとの上限」「高額介護サービス費」を確認するところから始めると整理しやすくなります。
この記事では、介護保険の自己負担が増える原因、確認したい軽減制度、家計が苦しいときの相談先、領収書の整理方法を、介護夫婦の目線でやさしく整理していきます。
【この記事でわかること】
・介護保険の自己負担を減らすために最初に確認すること
・自己負担が増える主な原因
・高額介護サービス費や自治体支援の考え方
・家計が苦しいときの相談ルート
・領収書や介護費用を月ごとに整理する方法
・夫婦で介護費用を抱え込みすぎない考え方
結論:まずは負担割合・支給限度額・高額介護サービス費を確認する

介護保険の自己負担を減らしたいときは、いきなりサービスを削るのではなく、まず制度の確認から始めることが大切です。
最初に確認したいのは、「負担割合」「支給限度額」「高額介護サービス費」の3つです。
【まず押さえたいこと】
介護費用が重いと感じたときは、サービスを減らす前に、本人の負担割合、ケアプランが支給限度額内か、高額介護サービス費の対象になるかを確認してみましょう。必要な支援を守りながら、負担を軽くできる制度がないかを探すことが大切です。
1つ目は、負担割合です。介護保険サービスを利用するときの自己負担は、本人の所得などによって1割・2割・3割に分かれます。負担割合は「介護保険負担割合証」で確認できます。
同じサービスを同じ回数使っていても、1割負担か、2割・3割負担かで、毎月の支払いは大きく変わります。
2つ目は、月ごとの上限です。介護保険には、要介護度ごとに1か月で保険が適用されるサービス量の上限があります。これを支給限度額といいます。
限度額内であれば、負担割合に応じた自己負担ですみますが、限度額を超えた部分は、一般的には全額自己負担になることがあります。
3つ目は、高額介護サービス費です。これは、1か月に支払った介護保険サービスの自己負担額が、所得や世帯状況に応じた上限を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度です。
申請が必要になることが一般的で、自治体から案内が届く場合もあります。手続きや対象は市区町村によって異なるため、窓口で確認しておくと安心です。
つまり、介護費用が高いと感じたときは、まず次のように考えます。
・負担割合は何割か
・ケアプランは支給限度額内か
・高額介護サービス費の対象にならないか
・自治体独自の支援はないか
・保険外の費用がどれくらい含まれているか
この5つを確認するだけでも、見直しの方向が見えやすくなります。
知らないまま抱え込むことを防ぐ
介護費用の軽減制度は、条件に合えば自動的にすべて反映されるものばかりではありません。
申請が必要なもの、自治体から案内が来て手続きするもの、本人や家族が窓口で確認したほうがよいものがあります。
ここで気をつけたいのは、「知らないと損する」と不安をあおることではありません。大切なのは、必要な制度を見落とさないように、落ち着いて棚卸しすることです。
介護費用が重いと、家族はつい「サービスを減らさないと」と考えてしまいます。でも、転倒予防、入浴介助、服薬確認、認知症の見守りなど、暮らしを支えるために必要なサービスもあります。
費用だけを見て減らしてしまうと、あとで家族の負担が増えたり、本人の安全が守りにくくなったりすることがあります。
家族だけで制度を調べ切るのは大変です。夜遅くにスマホで調べているうちに、制度名ばかりが増えて、かえって不安になることもあります。
そんなときは、全部を一人で理解しようとしなくて大丈夫です。
ケアマネジャー、市区町村の介護保険窓口、地域包括支援センターに、
「介護費用の自己負担を減らせる制度があるか確認したいです」
と伝えてみましょう。
制度名を正しく言えなくても大丈夫です。「毎月の介護費用が重くなっている」と伝えるだけでも、相談は始められます。
真美費用が高いと、すぐサービスを減らさなきゃって思っちゃうね



でも、その前に使える制度があるか確認したいね。減らすのは、それから考えてもいいと思うよ
自己負担が増える原因はサービス量・負担割合・保険外費用


介護保険の自己負担が増える原因は、主に「サービス量」「負担割合」「保険外費用」の3つです。
まず、サービス量が増えると自己負担も増えます。訪問介護の回数を増やす。デイサービスを週1回から週3回にする。ショートステイを利用する。必要な支援が増えれば、その分の費用も増えます。
これは悪いことではありません。本人の安全や生活を守るために、サービスを増やしたほうがよい場面もあります。
ただ、増やした結果、支給限度額を超えると自己負担が大きくなることがあるため、事前の確認が大切です。
次に、負担割合の違いがあります。同じサービスを使っていても、1割負担の人と2割・3割負担の人では、毎月の自己負担額が変わります。本人の所得や世帯状況によって変わるため、毎年届く介護保険負担割合証を確認しておきましょう。
そして、見落としやすいのが保険外費用です。介護保険サービスの自己負担だけを見ていると、「思ったより請求が高い理由」がわかりにくいことがあります。
たとえば、次のような費用は介護保険の自己負担とは別にかかる場合があります。
・デイサービスの食費
・おむつ代
・日用品代
・理美容代
・施設やショートステイの食費・居住費
・通院交通費
・家族の交通費
・介護保険外の家事代行や見守りサービス
・支給限度額を超えたサービス費
これらは家庭によって大きく差があります。介護保険の請求だけでなく、生活にかかる周辺費用も合わせて見ることが大切です。
【確認しておきたいこと】
介護費用には、介護保険サービスの自己負担だけでなく、食費、居住費、日用品、紙おむつ、医療費、交通費、保険外サービス費などが含まれることがあります。どこまでが制度の対象になるかは内容や地域によって異なるため、ケアマネジャーや市区町村窓口に確認してください。
どこが膨らんでいるかを分けて見る
介護費用を見直すときは、まず「どこが膨らんでいるか」を分けて見てみましょう。
たとえば、毎月の支払いを次のように分けます。
・介護保険サービスの自己負担
・介護保険の支給限度額を超えた分
・デイサービスや施設の食費
・紙おむつや介護用品
・医療費・薬代
・通院や付き添いの交通費
・保険外サービス
・家族が立て替えている費用
こうして分けてみると、「サービス量を見直す話なのか」「保険外費用が重いのか」「高額介護サービス費を確認すべきなのか」が見えやすくなります。
費用が高いからといって、すぐに必要な介護サービスを減らす必要はありません。転倒予防、服薬確認、入浴介助、認知症の見守りなど、安全や健康に関わるサービスを減らすと、かえって家族の負担が増えることもあります。
まずは、ケアマネジャーに利用票や請求書を見せながら、
「どの費用が増えているのか、一緒に確認したいです」
と相談してみましょう。
夫婦で見るときも、「誰が使いすぎたか」ではなく、「どの費用が増えているか」を並べるところから始めると、話し合いが少し落ち着きます。
お金の話は、つい責める言葉になりやすいものです。でも、介護費用の確認は、誰かを責めるためではありません。これからも必要な支援を続けるために、今の状態を見えるようにする作業です。
「なんでこんなに払っているの?」ではなく、「今、どこにお金がかかっているか見てみよう」。そんな言い方に変えるだけでも、夫婦の空気は少しやわらぐことがあります。



請求書って、数字が並んでいて見るだけで疲れちゃうね



全部を細かく読まなくても、介護保険内か、保険外かだけ分けると見えやすいと思うよ
確認すべき制度は、優先順に見ると迷いにくい


介護保険の自己負担を減らしたいときは、確認する制度に優先順をつけると迷いにくくなります。
まず確認したいのは、介護保険負担割合証です。本人が1割負担なのか、2割負担なのか、3割負担なのかを見ます。負担割合が変わると、同じサービス量でも支払いが変わります。
次に、ケアプランが支給限度額内に収まっているかを確認します。支給限度額を超えた分は全額自己負担になることがあるため、サービスを増やした月やショートステイを多く使った月は、特に確認しておきたいところです。
その次に、高額介護サービス費を確認します。1か月の介護保険サービスの自己負担が、所得に応じた上限を超えた場合、超えた分が支給される制度です。市区町村によって案内や申請方法が異なるため、窓口で確認しましょう。
施設入所やショートステイを利用している場合は、食費・居住費の軽減制度も確認します。一定の条件に合う場合、負担限度額認定を受けることで、食費や居住費の負担が軽くなることがあります。利用には市区町村への申請が必要です。
さらに、自治体独自の支援もあります。紙おむつ給付、配食サービス、移送支援、家族介護用品の助成、緊急通報装置など、地域によって内容や対象が異なります。
全国一律ではないため、住んでいる市区町村で確認することが大切です。
まず確認したい制度リスト
確認する順番を、もう少し実用的にまとめると次のようになります。
【まず確認したい制度】
・介護保険負担割合証
・ケアプランの支給限度額
・高額介護サービス費
・食費・居住費の軽減
・自治体独自の支援
・医療費との合算制度
介護保険負担割合証では、本人の自己負担が1割・2割・3割のどれかを確認します。
ケアプランの支給限度額では、限度額内か、超えている分があるかをケアマネジャーに確認します。
高額介護サービス費は、1か月の自己負担が上限を超えていないか、市区町村窓口に確認します。
施設やショートステイを利用している場合は、負担限度額認定の対象になるか確認します。
自治体独自の支援では、紙おむつ、配食、移送、見守り、家族介護支援など、地域の制度を確認します。
介護費と医療費の両方が重い場合、高額医療・高額介護合算療養費制度が関係することがあります。対象や申請方法は世帯状況などで変わるため、市区町村や加入している医療保険に確認しましょう。
ここで大切なのは、制度名を全部覚えることではありません。
「介護費用が重いので、軽減制度を確認したいです」
と窓口で伝えるだけでも、必要な制度につながる入口になります。家族が制度を完璧に理解してから相談する必要はありません。むしろ、わからないからこそ相談してよいのです。
施設・ショートステイ利用時は食費と居住費も見る
施設入所やショートステイを利用している場合、介護保険サービスの自己負担だけでなく、食費や居住費の負担も大きくなりやすいです。
この部分は、介護保険の1割・2割・3割負担とは別に考える必要があります。所得や資産などの条件に合う場合は、食費・居住費の負担軽減を受けられることがあります。
ただし、対象になるかどうかは個別事情によって変わります。施設やショートステイの費用が重いと感じたら、次のように確認してみましょう。
・負担限度額認定の対象になりますか?
・食費や居住費を軽くできる制度はありますか?
・申請するには、どんな書類が必要ですか?
確認先は、市区町村窓口やケアマネジャーです。施設費用は金額が大きくなりやすいため、家族だけで悩み続けるより、早めに制度の対象になるかを確認しておくと安心です。



制度名がいろいろあると、覚えられる気がしないね



名前を覚えるより、“負担を減らせる制度を確認したい”って言えれば十分だと思うよ
家計が苦しいときは、ケアマネジャー・市区町村・地域包括へ相談する


介護費用で家計が苦しいときは、ケアマネジャー、市区町村窓口、地域包括支援センターの順に相談先を考えると動きやすくなります。
まず、すでに介護保険サービスを利用しているなら、ケアマネジャーに相談しましょう。ケアマネジャーは、現在のケアプラン、利用しているサービス、支給限度額、本人の状態を把握しています。
相談するときは、次のように伝えると具体的です。
・介護費用が毎月重くなっていて、見直せるところがあるか知りたいです
・今のケアプランは限度額内ですか?
・サービスを減らさずに負担を抑える方法はありますか?
・高額介護サービス費や自治体支援の対象になるか確認したいです
次に、市区町村の介護保険窓口に相談します。高額介護サービス費、負担限度額認定、負担割合、申請手続き、自治体支援などは、市区町村が窓口になることが多いです。
自治体によって担当部署の名前は異なるため、
「介護保険の自己負担を減らす制度について相談したいです」
と伝えるとよいでしょう。
そして、どこに相談すればよいかわからない場合は、地域包括支援センターも頼れます。地域包括支援センターは、高齢者の介護や生活の相談窓口です。親がまだ介護保険を利用していない場合や、これから申請を考える場合にも相談しやすい場所です。
家計がかなり苦しい、親の生活費そのものが足りない、介護費用を子世代夫婦が立て替え続けている場合は、生活困窮や生活保護の窓口につながることもあります。
その場合も、自己判断で抱え込まず、市区町村窓口や地域包括支援センターに相談してみましょう。
・ケアマネジャー
・市区町村の介護保険窓口
・地域包括支援センター
・主治医
・医療機関の相談窓口
・医療ソーシャルワーカー
・生活困窮や生活保護の相談窓口
ケアマネジャー
ケアマネジャーは、今使っている介護サービス、ケアプラン、支給限度額、サービスの優先順位を相談する相手です。
サービス内容を見直したいときに頼りになります。「費用が重いのでサービスを減らしたい」といきなり決める前に、「必要な支援を守りながら調整できるか」を相談してみましょう。
たとえば、サービスの回数を変えるだけでなく、曜日や時間帯を見直したり、福祉用具を使って家族の介助量を減らしたりする選択肢が見つかることもあります。
市区町村の介護保険窓口
市区町村の介護保険窓口では、高額介護サービス費、負担限度額認定、負担割合、申請手続き、自治体支援などを確認できます。
制度の対象になるか、申請が必要か、どんな書類がいるかを確認できます。窓口に行く前に、介護保険証、負担割合証、直近の請求書や領収書などを手元に用意しておくと話が進みやすくなります。
ただし、わからないものがあっても相談して大丈夫です。
地域包括支援センター
地域包括支援センターは、介護が始まる前後の相談、家族の負担、制度の入口、どこへ相談すればよいかわからないときに頼れる窓口です。
親がまだケアマネジャーにつながっていない場合にも相談しやすい場所です。
・親の介護費用が不安です
・介護保険の申請から相談したいです
・どの制度を確認すればいいかわかりません
このような相談でも大丈夫です。
主治医・医療機関の相談窓口
医療費、入退院、訪問看護、在宅療養などが関係する場合は、医療機関にも相談してみましょう。病院によっては、医療ソーシャルワーカーが制度や退院後の生活について相談に乗ってくれることもあります。
介護費用と医療費は、暮らしの中では一緒に重なってくることがあります。薬代、通院交通費、入退院の費用が重いときも、医療機関の相談窓口や市区町村窓口に確認してみましょう。
夫婦で一人に抱え込ませない
相談のときは、夫婦のどちらか一人だけが抱えないようにしましょう。電話をする人、書類を確認する人、領収書を整理する人をゆるく分けておくと、負担が偏りにくくなります。
たとえば、次のような分担でも十分です。
【夫婦で分けておきたいこと】
・ケアマネジャーへ連絡する人
・領収書を月ごとにまとめる人
・市区町村窓口へ確認する人
・大きな費用の変更を共有する人
・兄弟姉妹に必要な情報を伝える人
平等に半分ずつ分けるより、「続けられる分担」にしておくことが大切です。
お金の話は気まずくなりやすいですが、数字を見える形にすると、感情だけで話し合わずにすみます。長く一緒にいても、相手の不安が全部見えるわけではありません。だからこそ、領収書やメモを間に置いて話すほうが、少し冷静になれることがあります。
「なんでこんなに払っているの?」ではなく、「今どこにお金がかかっているか、一緒に見よう」。そんな言い方に変えるだけでも、夫婦の空気は少しやわらぎます。



お金の相談って、なんとなく言い出しにくいよね



でも、費用が続かないと介護も続けにくくなるからね。不安になった時点で相談していいと思うよ
領収書管理と家計の見える化で、相談しやすくする


介護保険の自己負担を減らすためには、領収書や請求書を月ごとに整理しておくことも大切です。
制度の申請や相談では、「何にいくら払っているか」が見えると話が進みやすくなります。また、家計の中で介護費用がどのくらいを占めているのかがわかると、夫婦で相談しやすくなります。
領収書管理といっても、細かい家計簿をつける必要はありません。まずは、介護関係の領収書をひとまとめにするだけで十分です。
用意するものは、封筒やクリアファイルで構いません。
「2026年5月 介護費用」
「2026年6月 介護費用」
このように月ごとに分けて、介護サービスの領収書、デイサービスの食費、薬局の領収書、紙おむつ代、通院交通費のメモなどを入れていきます。
余裕があれば、月末に次の4つに分けて合計してみます。
・介護保険サービス
・医療費・薬代
・介護用品・日用品
・交通費・その他
これだけでも、「どこにお金がかかっているか」が見えてきます。
また、介護費用を親の口座から払っているのか、子世代夫婦が立て替えているのかも分けておくと安心です。なんとなく立て替えが続くと、夫婦の家計にどれくらい影響しているのか見えにくくなります。
月ごとの介護費メモ
続けやすい整理方法は、できるだけ簡単にすることです。
おすすめは、次のような形です。
【月ごとの介護費メモ】
・年月:
・介護保険サービス: 円
・デイサービス食費など: 円
・医療費・薬代: 円
・紙おむつ・介護用品: 円
・通院交通費: 円
・保険外サービス: 円
・家族の立て替え: 円
・気になったこと:
このメモは、正確な会計資料にする必要はありません。相談のときに「だいたい月にこれくらいかかっています」と伝えられるだけでも役立ちます。
夫婦で共有するなら、月に1回、10分だけ見返す時間を作ってもよいでしょう。
「今月はショートステイが多かったね」「おむつ代が増えているね」「通院の付き添い交通費も入れると、思ったよりかかっているね」「次のケアマネ面談で、費用の相談もしよう」。
このように、数字を責め合いの材料にするのではなく、相談につなげる材料にすることが大切です。
領収書は、医療費控除など別の手続きで必要になる場合もあります。対象になるかどうかは費用の内容や個別事情によって異なるため、必要に応じて税務署や税理士、市区町村窓口に確認しましょう。
立て替え分は、親のお金と夫婦のお金を分けて見る
親の介護費用を子世代夫婦が立て替えている場合、「今月だけ」のつもりが続いてしまうことがあります。
小さな支払いでも、通院交通費、薬代、紙おむつ代、食費、日用品代が重なると、夫婦の家計に影響します。
ここは、冷たい線引きではありません。親の暮らしを守るためにも、夫婦の生活を守るためにも、「誰のお金から、何を払っているか」を一度見えるようにしておくことが大切です。
夫婦で話すときは、
「どっちが負担するの?」
「なんでこんなに払ってるの?」
ではなく、
「今、月にどのくらい立て替えているか一緒に見よう」
という言い方にすると、少し話しやすくなります。
必要に応じて、兄弟姉妹、ケアマネジャー、市区町村窓口にも相談していきましょう。
領収書整理は、完璧でなくて大丈夫
領収書や介護費の整理というと、きちんと家計簿をつけなければいけないように感じるかもしれません。でも、最初から完璧にやろうとすると続きません。
封筒に入れる。スマホで写真を撮る。カレンダーに金額だけ書く。月末にざっくり合計する。そのくらいでも十分です。
大切なのは、あとから見返せることです。介護費用は、気づかないうちに家計に入り込んできます。
だからこそ、少しだけ見える形にしておくと、夫婦で相談しやすくなります。朝の台所で、財布の中に残っていた領収書を封筒に入れる。それだけでも、何もしていないよりは前に進んでいます。



家計簿をちゃんとつける自信はないけど、封筒に入れるくらいならできそうだね



それで十分だと思うよ。あとから見返せるだけでも、かなり違うからね
まとめ:まず制度の棚卸しから始める


介護保険の自己負担を減らしたいときは、すぐにサービスを減らすのではなく、まず制度の棚卸しから始めましょう。
確認したいのは、次の5つです。
・介護保険負担割合証で、本人の負担割合を見る
・ケアプランが支給限度額内か、ケアマネジャーに確認する
・高額介護サービス費の対象になるか、市区町村に聞く
・施設やショートステイ利用時は、食費・居住費の軽減を確認する
・自治体独自の支援や助成がないか調べる
介護費用が重くなる原因は、介護保険サービスの自己負担だけではありません。保険外サービス、食費、紙おむつ、医療費、交通費、家族の立て替えなども積み重なります。
だからこそ、領収書を月ごとにまとめ、「何にいくらかかっているか」を見えるようにしておくと、相談がしやすくなります。
【今日できる最小の一手】
介護費用の領収書を1か月分だけ集めて、封筒やクリアファイルに入れてみましょう。次にケアマネジャーや市区町村窓口へ相談するとき、「介護費用の自己負担を減らせる制度があるか確認したいです」と伝えられる準備になります。
全部を一度に理解しなくて大丈夫です。制度は、家族だけで抱え込まないためにあります。
親の介護を続けるためにも、夫婦の暮らしを守るためにも、まずは使える制度を一つずつ確認していきましょう。
介護のお金の話は、明るい話題ではないかもしれません。けれど、見ないふりをしていると、不安だけが大きくなってしまいます。
反対に、封筒ひとつ、メモ一枚でも、見える形にすると少しだけ呼吸がしやすくなります。
親のために必要な支援を守ること。自分たち夫婦の生活を守ること。その両方を大切にしながら、無理のない形を探していけばよいのだと思います。
請求書を見るたびに胸が重くなる日もあります。「もっと早く整理しておけばよかった」と思うこともあるかもしれません。
それでも、今からで大丈夫です。まずは一枚、領収書を封筒に入れる。まずは一言、「負担を減らせる制度を確認したいです」と伝える。その小さな一歩から、相談は始められます。



まずは領収書を集めるだけでも、一歩になるんだね



うん。そこから制度の確認につなげればいい。いきなり全部わからなくても大丈夫だよ









