親の要介護認定を申し込むと、多くの場合「認定調査」が行われます。
はじめて認定調査を受けるときは、「何を聞かれるのだろう」「うまく答えられなかったらどうしよう」「親がその場だけ頑張ってしまったら、ちゃんと伝わるのかな」と、不安になることがあります。
認定調査は、親を試す場ではありません。家族が立派な答えを用意する場でもありません。
ふだんの暮らしの中で、どんなことに困っているのか。どれくらい見守りや介助が必要なのか。これからも安全に暮らしていくために、どんな支援があると助かるのか。
そうしたことを確認するための大切な時間です。
ただ、そうわかっていても、調査の日が近づくと少し落ち着かなくなるものです。朝の台所でお湯を沸かしながら、「あれも言ったほうがいいのかな」「でも親の前では言いにくいな」と考えてしまうこともあるかもしれません。
この記事では、認定調査で聞かれることの全体像と、答え方で困らないための準備メモを整理します。
完璧に話そうとしなくても大丈夫です。生活の場面を思い出しながら、少しずつ言葉にしていきましょう。
【この記事でわかること】
・認定調査で大切にしたい答え方の考え方
・身体、生活、認知面でよく聞かれる項目
・「たまに困る」「日によって違う」ときの伝え方
・転倒、夜間、服薬、火の不安をメモするコツ
・本人が頑張ってしまう場合の家族の補足方法
・調査前に作っておきたい困りごとメモ
結論:認定調査は「できる・できない」だけで答えない

認定調査では、「できるか、できないか」だけでなく、「安全に、安定して、日常的に続けられているか」を伝えることが大切です。
たとえば、親が「歩けます」と答えたとします。でも実際には、壁や家具につかまりながら移動していたり、夜中にトイレへ行くときに転びそうになっていたりすることがあります。
この場合、「歩けます」とだけ答えると、生活の中にある危なさや、家族の見守りの必要性が伝わりにくくなります。
【まず押さえたいこと】
認定調査では、その場で一回できるかだけでなく、ふだんの暮らしの中で安全に続けられているかを伝えることが大切です。本人が「できます」と答えても、家族が見守っている、声をかけている、危ない場面があるなら、その生活場面を補足して大丈夫です。
要介護認定の認定調査では、身体機能、生活機能、認知機能、行動面、社会生活への適応など、さまざまな項目が確認されます。ただし、家族が調査項目を丸暗記する必要はありません。
調査員が知りたいのは、「その場で一回できるか」だけではなく、ふだんの暮らしの中でどうなのか、ということです。
具体的には、次のような内容です。
・どんな場面で困っているか
・家族がどのくらい手伝っているか
・見守りがないと危ない場面があるか
・失敗や転倒がどのくらいあるか
・日によって状態に差があるか
・本人だけでは続けにくいことがあるか
「今日はできた」だけではなく、「普段はどうか」「安全に続けられているか」を伝えることが、認定調査では大切になります。
良く見せすぎると、必要な支援が伝わりにくくなる
認定調査の場では、本人がつい頑張ってしまうことがあります。
親としては、「できないと思われたくない」「子どもに迷惑をかけたくない」「知らない人の前で弱いところを見せたくない」という気持ちがあるのかもしれません。その気持ちは、とても自然なものです。
家族としても、親のそういう姿を見ると、少し胸が詰まることがあります。昔は何でも自分でできていた親が、「大丈夫です」と少し背筋を伸ばして答えている。その姿を見ていると、横から口をはさむのが申し訳なく感じることもあるでしょう。
ただ、調査の場だけ良く見せてしまうと、実際の介護の手間や危険な場面が伝わりにくくなることがあります。結果として、必要なサービスにつながりにくくなったり、家族の負担が見えにくくなったりすることもあります。
大切なのは、親を悪く言うことではありません。
「できません」と決めつけるのではなく、生活の場面として伝えると、責める感じになりにくく、調査員にも状況が伝わりやすくなります。
たとえば、次のような伝え方です。
・昼間は一人で歩けることもありますが、夜はふらつきが強く、家族が声をかけています
・入浴は、浴槽をまたぐところが危ないので、家族がそばで見守っています
・服薬は、本人が飲んだつもりで忘れることがあり、家族が確認しています
認定調査は、親の「できないこと探し」ではありません。これから安全に暮らすために、今の状態を共有する時間です。
夫婦で付き添う場合は、事前に「誰が主に話すか」「言いにくいことをどう補足するか」を軽く決めておくと、当日の負担が少し減ります。
真美お母さんが『大丈夫です』って言いそうで、そこが心配なんだよね



その気持ちもわかるな。だから、家族はあとから生活場面を静かに補足できるといいね
認定調査でよく聞かれることは身体・生活・認知の3つ


認定調査で聞かれることは、大きく分けると「身体の動き」「生活動作」「認知や行動」に関することです。
細かい項目は多く感じるかもしれませんが、家族が準備するときは、暮らしの場面ごとに整理すると考えやすくなります。
「朝起きてから夜寝るまで、どこで困っているか」を思い出していけば、それだけでも大切な情報になります。
身体の動きについて聞かれやすいこと
身体機能では、寝返り、起き上がり、座っている姿勢、立ち上がり、歩行、移動などが確認されます。
たとえば、次のようなことです。
・ベッドや布団から一人で起き上がれるか
・椅子から立ち上がるときに支えが必要か
・家の中を安全に歩けるか
・外出時に杖や付き添いが必要か
・段差や階段でふらつくことがあるか
・転倒や転びそうになったことがあるか
ここで大事なのは、「歩ける」「立てる」だけで終わらせないことです。
「室内は歩けるが、廊下では壁に手をついている」
「昼間は歩けるが、夜間トイレのときにふらつく」
「玄関の段差でつまずきやすい」
このように、場面を添えると伝わりやすくなります。
同じ「歩ける」でも、安心して歩けているのか、転ばないように周りが気を配っているのかでは、生活の状態が変わります。家族がふだん何気なくしている声かけや見守りも、大切な情報です。
誰も急がせない廊下の静けさの中で、親が壁に手をつきながらゆっくり歩いている。そんな小さな場面に、家族が感じている不安が表れていることもあります。
生活動作について聞かれやすいこと
生活動作では、食事、排泄、入浴、着替え、整容、服薬、口腔ケアなどが関係します。
ADLという言葉を聞くことがありますが、これは食事、排泄、移動、入浴など、日常生活の基本動作を指す言葉です。
たとえば、次のようなことが確認されます。
・食事を一人で食べられるか
・むせる、食べこぼす、食事量が減ることがあるか
・トイレに間に合うか
・排泄後の片づけや清潔保持ができるか
・入浴時に浴槽をまたげるか
・着替えに時間がかかるか
・薬を飲み忘れないか
・歯みがきや洗顔、つめ切りなどができるか
また、買い物、調理、金銭管理、薬の管理、電話、外出など、少し複雑な生活動作も大切です。こうした動作は、IADLと呼ばれることがあります。
一人暮らしの親の場合、このIADLの困りごとは見えにくいことがあります。
「買い物に行けていると思っていたら、同じものばかり買っていた」
「薬を飲んでいると言っていたけれど、残薬が増えていた」
「支払いを忘れることが出てきた」
こうした変化も、生活に関わる大事な情報です。
親が「できている」と思っていても、実際には家族が買い物を補っていたり、支払いを確認していたりすることもあります。その場合は、「本人ができていない」と責めるのではなく、「家族がこう支えている」という事実として伝えるとよいでしょう。
認知面や行動面について聞かれやすいこと
認知面では、日付や場所がわかるか、同じ話を繰り返すか、薬を飲み忘れるか、火の消し忘れがあるか、外出先で迷うことがあるかなどを聞かれることがあります。
行動面では、夜間に何度も起きる、怒りっぽくなる、不安が強い、物を盗られたと思い込む、外へ出ようとするなど、家族が対応に困っていることも大切です。
ただし、認知症や病気の判断を家族だけで決める必要はありません。
「認知症です」と断定するのではなく、次のように事実を伝えれば大丈夫です。
・同じ話を1日に何度もする
・薬を飲んだか忘れることがある
・予定を忘れてしまう
・火を消し忘れたことがある
・夜中に外へ出ようとしたことがある
・財布や通帳をなくしたと思い込むことがある
気になることがある場合は、主治医や地域包括支援センター、ケアマネジャーに相談しながら整理していくと安心です。
夕方になると不安が強くなる。夜になると同じ話が増える。日中は穏やかなのに、時間帯によって様子が変わる。そうした波も、家族が見ている大切な情報です。
【確認しておきたいこと】
認定調査で確認される内容や調査の進め方は、本人の状態や自治体、調査員によって異なることがあります。わからないことがある場合は、市区町村窓口、地域包括支援センター、ケアマネジャーなどに確認してください。



項目が多いって聞くと、それだけで身構えちゃうね



全部覚えなくていいと思うよ。朝から夜までの困りごとを思い出すほうが、ずっと現実に近いな
答え方のポイントは頻度・時間帯・介助量をセットで伝えること


認定調査の答え方で迷ったときは、「よい日と悪い日の差」「困る頻度」「家族がどのくらい介助しているか」をセットで伝えるのが大切です。
親の状態は、毎日同じではありません。
朝は比較的しっかりしているけれど、夕方になると混乱しやすい。晴れの日は歩けるけれど、雨の日は足元が不安定になる。体調がよい日は入浴できるけれど、疲れている日は声かけが必要になる。
こうした波がある場合、「今日はできています」だけでは、ふだんの困りごとが伝わりにくいことがあります。
伝えるときは、次の3つを意識すると整理しやすくなります。
【答えるときに添えたい3つのこと】
・どのくらいの頻度で起きるか
・どの時間帯や場面で起きるか
・家族がどのくらい手伝っているか
たとえば、こういう伝え方です。
・調子がよい日は一人で食べられますが、疲れている日は箸が止まり、声かけが必要です
・週に2〜3回、薬を飲み忘れます
・月に1回ほど転倒しています
・夜間はほぼ毎日トイレに起き、ふらつきがあります
・入浴は本人が嫌がる日があり、家族が声をかけても入れないことがあります
「大変です」「心配です」だけでも、家族の気持ちはあります。けれど、頻度や場面を添えると、調査員が生活の様子をつかみやすくなります。
たまに困ることも、安全や家族の負担に関わるなら伝えてよい
「たまにあること」は、伝えてよいのか迷うことがあります。
結論から言うと、生活の安全や家族の負担に関わる「たまに」は、伝えて大丈夫です。
たとえば、次のようなことです。
・たまに転ぶ
・たまに薬を飲み忘れる
・たまに火を消し忘れる
・たまに夜中に外へ出ようとする
・たまにトイレに間に合わない
・たまにお金の支払いを忘れる
回数が少なくても、家族にとっては大きな不安になることがあります。
ただし、「たまに」だけでは伝わりにくいので、できる範囲で具体的に言い換えます。
・この1か月で2回ありました
・先月、夜中に玄関を開けて外へ出ようとしました
・週に1回ほど、薬が残っていることがあります
・半年で3回、家の中で転びました
正確な回数がわからない場合は、「だいたい」でかまいません。
「はっきり回数は覚えていませんが、ここ1〜2か月で何度かあります」
「毎日ではありませんが、家族が気をつけて見ている状態です」
こう伝えるだけでも、何も言わないよりずっと状況が伝わります。
夫婦で準備するなら、片方が「いつ・何があったか」を思い出し、もう片方が「その後、誰がどう対応したか」を補足すると整理しやすくなります。
全部を一人で抱えず、記憶を出し合う形で大丈夫です。



“たまに”って言うと、言っていいのかなって迷うね



危なさや家族の負担につながるなら、伝えていいと思うよ。回数があいまいでも、だいたいで十分だな
事前準備は困りごとメモを1枚作るところからでいい


認定調査の前には、困りごとメモを1枚作っておくと安心です。
調査当日は、思ったより緊張します。調査員を前にすると、家族も「何を話せばいいんだっけ」となりやすいものです。親本人が横にいると、言いにくいこともあります。
だからこそ、事前にメモを作っておくことが役に立ちます。
きれいな文章にする必要はありません。大事なのは、生活の中で起きていることを忘れずに伝えられるようにしておくことです。
特に書いておきたいのは、転倒、夜間、服薬、火の不安です。
転倒のメモ
転倒については、いつ、どこで、どんな状況で転んだかを書きます。
たとえば、次のような内容です。
・夜中にトイレへ行く途中、廊下で転んだ
・玄関の段差でつまずいた
・浴室で滑りかけた
・外出先で足がもつれた
・転んではいないが、何度もふらついている
大きなけががなくても、ヒヤリとした出来事は伝えてよい内容です。
「転んでいないから大丈夫」ではなく、「転びそうになっている」「家族が支えている」という状態も、安全面を考えるうえでは大切です。
夜間のメモ
夜間については、トイレの回数、眠れない様子、徘徊の心配、家族の見守り状況を書きます。
夜の介護は、本人が覚えていなくても、家族には大きな負担になります。夜中に物音がするたびに目が覚める。トイレに行ったか気になって眠りが浅くなる。そうしたことが続くと、家族の体力にも影響します。
たとえば、次のような内容です。
・夜中に何度もトイレに起きる
・物音で家族が起きて確認している
・夜中に玄関を開けようとした
・昼夜逆転気味で、家族が眠れない
・夜間の転倒が心配で見守っている
こうしたことは、家族の睡眠や仕事にも影響します。遠慮せず、生活上の事実として伝えて大丈夫です。
服薬のメモ
服薬については、飲み忘れ、飲み間違い、薬の管理を誰がしているかを書きます。
・薬を飲んだか忘れる
・薬が余っている
・同じ薬を重ねて飲みそうになる
・家族が薬カレンダーに入れている
・家族が電話で服薬確認をしている
本人が「自分で飲めている」と思っていても、実際には家族の確認で成り立っていることがあります。
その場合は、「本人ができていない」と言うよりも、「今は家族が薬を確認している」「声かけがあって飲めている」と伝えると、支援の実態が伝わりやすくなります。
火の不安のメモ
火の不安については、コンロの消し忘れ、鍋を焦がした、電子レンジの使い間違い、ストーブの消し忘れなどを書きます。
・コンロを消し忘れたことがある
・鍋を焦がした
・電子レンジの使い方を間違えた
・ストーブをつけっぱなしにした
・火の管理が心配で家族が確認している
火の管理は、安全に関わることです。言いにくさがあっても、遠慮せず伝えてよい内容です。
そのほか、排泄の失敗、入浴を嫌がる、食事量が減った、買い物が難しい、金銭管理が不安、同じ話を繰り返す、約束を忘れる、怒りっぽくなるといったことも、生活に影響しているならメモしておきましょう。
認定調査前のメモテンプレ
認定調査前のメモは、きれいに作る必要はありません。ノートでも、スマホでも、紙1枚でも大丈夫です。
次の形にしておくと、調査当日に見返しやすくなります。
【認定調査前の困りごとメモ】
・困っている場面:夜間トイレ、入浴、服薬、買い物、火の管理など
・いつ起きるか:毎日、週2〜3回、月1回、夕方、夜間、外出時など
・何が起きているか:ふらつく、転ぶ、飲み忘れる、怒る、迷う、火を消し忘れるなど
・家族がしていること:声かけ、見守り、付き添い、薬の確認、片づけ、電話確認など
・心配なこと:転倒が怖い、火事が心配、夜眠れない、夫婦どちらかに負担が偏っているなど
たとえば、こんな書き方です。
「夜間トイレ。ほぼ毎日。寝室からトイレまで壁をつたい歩き。先月1回転倒。妻が物音で起きて声かけしている」
「服薬。週2回ほど飲み忘れ。本人は飲んだと言うが薬が残る。夫が薬カレンダーに入れ、妻が電話で確認」
このくらいで十分です。
大切なのは、文章のうまさではなく、生活の実態が伝わることです。
夫婦で分担するなら、「現場で見ている人」「手続きや連絡をする人」で情報を分けたままにせず、調査前に一度すり合わせておくとよいでしょう。
【夫婦で分けておきたいこと】
・困りごとを思い出す人
・メモにまとめる人
・調査当日に主に話す人
・言いにくいことを補足する人
・調査後に内容を家族へ共有する人



メモって聞くと、ちゃんと書かなきゃって思っちゃうね



箇条書きで十分だよ。いつ、何があって、誰が対応したかがわかればいいな
当日は、本人の尊厳を守りながら家族が補足する


認定調査の当日は、本人が頑張ってしまうことを前提に、家族が落ち着いて補足できる準備をしておくと安心です。
親が「何でも自分でできます」と言うと、横で聞いている家族は焦るかもしれません。
「そんなことないでしょう」
「いつも困っているじゃない」
そう言いたくなる場面もあるでしょう。
でも、本人の前で否定するような言い方になると、親が傷ついたり、調査の場の空気が固くなったりすることがあります。
できるだけ、本人の尊厳を守りながら、事実を補足する言い方を選びましょう。
たとえば、本人が「一人でお風呂に入れます」と言った場合、家族はこう補足できます。
「本人はそう思っているのですが、浴槽をまたぐところでふらつくことがあり、家族が近くで見守っています」
本人が「薬はちゃんと飲んでいます」と言った場合は、こう伝えられます。
「本人は飲んでいるつもりですが、薬が残っていることがあるので、今は家族が確認しています」
本人が「転んでいません」と言った場合も、言い方を少し整えるだけで伝わりやすくなります。
「大きなけがはありませんが、先月トイレ前で尻もちをついたことがあります」
本人を責める必要はありません。できている部分を認めながら、「家族が見ている生活上の事実」を添える形です。
調査員に、本人のいないところで補足できる時間があるか相談できる場合もあります。自治体や調査の進め方によって違いはありますが、言いにくいことがある場合は、「家族から少し補足してもよろしいですか」と落ち着いて伝えてみましょう。
また、調査当日は、最近の受診状況、薬の内容がわかるもの、お薬手帳、困りごとメモなどを手元に置いておくと安心です。
医療的な判断は主治医の領域です。家族は「生活で起きていること」を中心に伝えると、話を整理しやすくなります。
家族が補足するときの言い方
家族が補足するときは、次の3つを意識すると角が立ちにくくなります。
- 「本人はそう言っていますが」と受け止める
- 「家族から見ると」と立場を分ける
- 「具体的な場面」を伝える
たとえば、次のような形です。
・本人は一人で大丈夫と言っていますが、家族から見ると、夜間のトイレはふらつきがあり心配です
・本人は忘れているようですが、先月、薬の飲み忘れが何度かありました
・本人は気にしていませんが、家族は火の消し忘れが心配で、今はコンロの使用を見守っています
・本人は歩けると言っていますが、外出時は段差でつまずきやすく、家族が腕を支えています
この言い方なら、本人を否定しすぎず、調査員にも必要な情報が伝わります。
夫婦で付き添う場合は、事前に「どちらが主に話すか」「言いにくいことはどちらが補足するか」を決めておくと、当日の負担が少し軽くなります。
特に義親の調査では、実子が本人に配慮しながら話し、配偶者がメモを見て補足するなど、無理のない役割分担にするとよいでしょう。
介護の話し合いは、親子の関係だけでなく、夫婦の空気にも影響します。どちらか一人が全部を抱えるのではなく、「言いにくい部分を支え合う」という形にできると、当日の緊張も少し和らぎます。
【伝え方に迷ったとき】
本人の前で言いにくい困りごとがある場合は、家族だけで抱え込まず、調査員に補足の時間を取れるか相談してみましょう。対応は自治体や調査の進め方によって異なるため、事前に地域包括支援センターや市区町村窓口へ確認しておくのも安心です。



親の前で困りごとを話すのって、ちょっと気まずいよね



うん。否定するより、“家族から見ると”って言い方にすると少し伝えやすいな
まとめ:認定調査では生活場面の困りごとを遠慮せず伝える


認定調査で聞かれることは、身体の動き、生活動作、認知面、行動面、医療や社会生活に関わることなど幅広くあります。
でも、家族がすべての項目を覚える必要はありません。
大切なのは、親の暮らしを思い浮かべながら、次のことを生活場面で伝えることです。
・どこで困っているか
・どのくらいの頻度で起きるか
・家族が何を手伝っているか
・安全面で何が心配か
・本人だけでは続けにくいことがあるか
認定調査は、親を悪く言う場ではありません。家族の介護を評価される場でもありません。
これから必要な支援につながるために、今の暮らしを共有する場です。
本人が頑張ってしまうこともあります。家族が言いにくさを感じることもあります。それでも、転倒、夜間の見守り、服薬、火の管理、排泄、入浴、外出時の不安などは、遠慮せず伝えて大丈夫です。
今日ひとつだけやるなら、紙かスマホに「困りごとメモ」を作ってみてください。きれいに書かなくて大丈夫です。
「夜間トイレでふらつく」
「薬を飲み忘れる」
「入浴時に見守りが必要」
「先月転倒した」
まずは、このくらいからで十分です。
できれば夫婦で10分だけ話して、「本人が困っていること」と「家族が手伝っていること」を分けて書いてみましょう。
実親と義親では、見え方が違うこともあります。それはどちらが正しいかではなく、情報が増えたということです。
夫婦で抱え込まず、必要に応じて地域包括支援センター、市区町村窓口、ケアマネジャー、主治医にも相談しながら進めていきましょう。
完璧に説明できなくても、暮らしの事実をひとつ伝えることが、次の支援につながる一歩になります。
調査の場で親の弱さを言葉にするのは、少しつらいことかもしれません。本当は、そんなことを言わずに済めばよかったと思う日もあるでしょう。
けれど、困りごとを伝えることは、親を傷つけるためではありません。これからも安全に暮らしていくために、そして家族だけが黙って抱え込まないために、今の生活を一緒に見てもらうことです。
【今日できる最小の一手】
紙かスマホに、親の困りごとを3つだけ書き出してみましょう。「夜間トイレでふらつく」「薬を飲み忘れる」「入浴時に見守りが必要」など、短い言葉で大丈夫です。



全部ちゃんと話さなきゃって思うと、緊張するね



まずは、困っている場面を一つ書ければ十分だよ。そこから整理していけばいいな
まずは、困りごとを一つ書くところからで大丈夫です。
その小さなメモが、認定調査で落ち着いて話すための支えになり、必要な相談につながる入口になります。






